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エコツアー(2)甲子園浜浄化センター

西宮市主催のバスツアーを利用して行った
生活クラブ都市生活生協の企画「エコバスツアー」。
今回は甲子園浜浄化センターについて書きたいと思います。

ここの下水の浄化には特殊な機械などが使われているのではなくて、
「微生物」が使われています。
知ってはいたけれど、よくよく考えると本当にすごい。
目に見えない生き物が私達の汚した水をきれいにしてくれている…。

でも、微生物君にも限界があるのですよね。
浄化後の水に含まれるリン酸と窒素の残留値は
大阪湾での基準値よりも若干高いようです。
それと、微生物君は合成洗剤などを食べることはないようです。
浄化の仕組みの中で活性炭を入れているので、そこで合成洗剤成分を吸着して
取り除いているようですが、それでも完全に取り除けるものではないようです。
浄化したつもりであっても、
まだ成分が残っている可能性があるとういことですね。

それと、処理するゴミが多ければ多いほど微生物君が沢山必要になります。
微生物君は温度が高いところを好むので、
微生物君のいる場所では、電気を使って温度を一定に保っています。
私達が家庭から出す排水が汚れていると、
電気を沢山使用することになるというわけです。
ちなみに、
甲子園浜浄化センターの1日の電気料金は45万円だそうです。


もう一つ、別の話を。
浄化した水は大腸菌などを含むので、
そのまま海に放出することができないので、
塩素を混ぜているそうです。
「魚などへの影響は?」という質問に対して職員さんは
「菌を殺すけれど、魚などへの影響を最小限に押さえる値で塩素を入れています」と
答えてくださいました。
ちょっと、納得できない答え。本当に魚に影響はないの?
かといって、大腸菌を消毒しなきゃいけないし。いい方法はないの?
と思っていたら、また別の方から質問がありました。
「塩素以外の消毒の方法はないの?」と。
そしたら、職員さんも「はい!あります!」と元気なお返事。
魚を守ろうとする漁港が近くにある場合は、
別の方法で消毒しているそうです。でも、それにはコストがかかると。

市民としては複雑なところですね。
環境に優しい方法を選んで欲しい、でも、それにはコストがかかる。
つまり税金の負担が増えるということ。

さて、どうすればいい?
また考えなきゃいけません。
経済優先か、環境優先か、
何に重きを置いて判断するのか。
未来に何を残すのか。
私達に何ができるのか。

いろいろと考える材料ができました。

西宮市の主催のバスツアーは無料でした。
歴史家の先生のガイドがあり、とても楽しい時間でした。
市の企画としては本当にありがたいもので、
感謝の気持ちでいっぱいです。
団体で申込みができるようです。
私たちの生協は市政便りの情報を元に申込みました。
興味がある方はご利用されるといいと思います。

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浄化後の水が通る場所。リン酸と窒素が多く含まれるので、花がよく咲きます。
by sunnydrops_tokyo | 2014-07-09 17:05 | 省エネ/省資源
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